大使館のある街

麻布十番を含めて、地名に麻布とつく街や、周辺の赤坂、六本木、三田、青山は、大使館のある街です。

私のオフィスのある麻布十番商店街を歩いていると、暗闇坂方向にオーストリア大使館、鳥居坂方向にシンガポール大使館があります。

麻布山を登ると、仙台坂あたりにアルゼンチン大使館、その坂の途中には大韓民国大使館、有栖川公園まで行けば中国大使館が目立ちます。

周辺にはフランス大使館、ドイツ大使館、もう少し範囲を広げればイタリア大使館、オーストラリア大使館、ロシア大使館などがあります。

普通のマンションの中の大使館もあります。

多くはがっちりした鉄格子に囲まれています。中国、韓国、ロシアの大使館は、24時間警察官が警備をしています。

付近を散歩していると、3人乗りの電動自転車で大使館職員が出勤や退勤する様子を目にすることもあります。

麻布十番商店街を家族連れで散策している外国人の方で、旅行者の格好をしていない方の多くは、これらの大使館職員なのかもしれません。

良いな、と思うのは、彼らの日常生活の様子が垣間見られることです。多くは小さなお子様連れだったり、ペットの犬を連れています。

領事業務とは

大使館の大切な業務のひとつに、「領事業務」というものがあります。

英語では Consular Services といいます。

わかりやすく言い換えると、母国以外の外国にいる自国民の保護や、自国利益の保護と支援をはかることです。

つまり①パスポートやVISAの交付、②在留届の受理、③緊急支援が主なものです。

特定のある国に訪問する必要ができた場合、原則としてその国の大使館に行って上陸許可を取る必要があります。これがVISAです。

上陸許可に伴って、許可の期間が付随します。観光旅行の場合は60日から90日程度の短期滞在が許可されます。

中には、両国の話し合いにより、観光旅行などの短期滞在はVISAが免除されることがあります。

海外の入国審査で、滞在の目的を聞かれるのはこのためです。

邦人保護に係る費用負担

皆様はパスポート(旅券)を取得する際に、都道府県のパスポートセンターに行って所定の書類と証拠資料を提出し、受領することになります。

このときに、10年旅券だと16,000円が必要です。

おもしろいのは、この費用の支払いは、都道府県証紙と収入印紙に分けて支払う必要があることです。

パスポートセンターの中、又は付近で、都道府県証紙を2千円、収入印紙を14千円分購入して申請します。

都道府県証紙ということは、そのお金は都道府県の収入となります。つまり旅券センターを維持するための経費を支払っているのです。

残りの収入印紙は、国の収入です。この中には旅券の用紙代やメイン機器の維持費などもありますが、実はその多くは「邦人保護費」にあてられています。

細かい内訳はここでは書きませんが、相当な料金が邦人保護のために徴収されていることは知っておくべきかと存じます。

海外で大きな事件や事故が発生した場合、必ず「日本人の被害者はいない」などと報道されます。これは当該国の大使館や領事館の領事が現地へ行き、日本人の被害者の有無を確認しているのです。万一日本人の被害者がいた場合、大使館の通常業務として邦人保護のためのあらゆる手段をとります。

たとえば日本にいる家族に緊急に当該国へ渡航していただくなどは、都道府県の旅券事務担当者を通じて休日深夜関係なく対応します。

海外渡航ビザ

コロナ禍が去って、海外のインバウンドもアウトバウンドも復活しています。

海外への渡航を希望する方は、国によっては日本の当該国大使館でVISAを取らないと入国できません。

私どもの事務所では、日本人の方の海外渡航VISAの業務も代行しています。

業として申請代行を行うことは、行政書士資格のない方が行うことは行政書士法違反になります。

あなたが次に行きたい外国はどちらでしょうか。

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toyama
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