会社経営の方の注意点

帰化申請は、当該申請者が日本国籍を取得することについて、経済的な自立状況や、素行が善良であるかなど、法の定めに従って様々な観点から法務局が調査します。

申請者が会社員であるなら、直近の収支が安定しているか、いわゆる独立生計要件を満たすか審査するだけです。

ところが自営業者や会社経営者は、申請者個人の審査に加え、その経営している事業所や法人が、赤字になっていないか、納税や社会保険の義務を正しく果たしているかまで審査されます。

納税に関する義務は比較的わかりやすいところですが、法人特有の納税の義務(法人税、法人事業税、法人住民税のいわゆる法人三税だけでなく、売上によっては消費税の納税義務なども細かくチェックされます)だけでも書類は膨大になりますし、さらに役員報酬を適正に支払っているか、健康保険などの社会保険に関する義務を正しく履行しているかについて細かくチェックされます。

特に注意が必要なのは、いわゆる名義貸しで会社の役員に名前だけ貸していて、勤務の実態がないような場合です。もしその会社が赤字決算だったり納税の義務を果たしていなかったり、又は重加算税を課せられたりしていると、帰化は許可されません。

だからといって、帰化のために会社経営をやめて、給与所得者に変更しても、直近3年間に法人の役員になっていなかったか法務局は調査します。

帰化申請をお考えの場合、国民の義務を果たすなど身辺をきれいに保つことは、帰化が関係なくても当然とはいえ、軽率な行動で後悔しないように気を付けましょう。

一般的な帰化申請のために必要となる書類

当事務所で作成できるもの、本国で取り寄せる必要があるもの等、細かくご相談ください。

No.種      類注意事項
1帰化申請書写真5cm×5cm貼付
2親族の概要を記載した書面 
履歴書 
 ①最終学歴の卒業証明書又は卒業証書 
 ②在学証明書 
 ③技能及び資格証明書 
 ④自動車運転免許証の写し表と裏
帰化の動機書 
国籍・身分関係を証する書面 
 ①本国の戸籍謄本(韓国・台湾 父母の戸籍(除籍)、本人の戸籍)  家族関係記録事項証明書(韓国・朝鮮) 
 ②国籍証明書 
 ③出生証明書 
 ④婚姻証明書(本人・父母) 
 ⑤親族関係証明書 
 ⑥その他(父母の死亡証明書等) 
 ⑦パスポート・渡航証明書(写し) 
 ⑧出生届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書) 
 ⑨死亡届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書) 
 ⑩婚姻届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書) 
 ⑪離婚届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書) 
 ⑫その他(養子縁組・認知届・親権を証する書面・裁判書) 
 ⑬日本の戸(除)籍謄本  本人が日本国籍を喪失した者  父・母、子、兄弟姉妹、(内)夫・妻、婚約者が日本人(元日本人を含む)  帰化した者(帰化事項の記載のあるもの) 
国籍喪失等の証明書法務局指示のあった場合
住所証明書(申請者及び同居者全員) 
 ①住民票 
 ②外国人登録原票記載事項証明書 
宣誓書 
生計の概要を記載した書面 
 ①在勤及び給与証明書(会社等勤務先で証明したもの) 
 ②土地・建物登記項証明書 
 ③預貯金現在高証明書・預貯金通帳の写し 
 ④賃貸契約書の写し 
10事業の概要を記載した書面 
 ① 会社等法人の登記事項証明書 
 ②営業許可書・免許証の写し 
11納税証明書 
 A 個人 
 ①源泉徴収票 
 ②納付書写し 
 ③確定申告書(控・決算報告書含む) 
 ④所得税納税証明書(その1,その2) 
 ⑤事業税 
 ⑥消費税 
 ⑦都道府県・市区町村民税、非課税証明書 
 B 法人 
 ①確定申告書(控・写し) 
 ②決算書・貸借対照表 
 ③法人税納税証明書(その1、その2) 
 ④法人事業税 
 ⑤減徴収簿写し(申請者に関する部分)納付書写し 
 ⑥消費税 
 ⑦法人都道府県民税 
 ⑧法人市区町村民税 
12①運転記録証明書(過去5年分) 
 ②運転免許経歴証明書(失効した人、取り消された人) 
13自宅、勤務先、事業所付近の略図 
14出入国記録 
15その他